福岡大学法学部同窓生によるリレー式コラム第20回目は
川久保敬徳さん(2003年卒)です。
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はじめまして川久保と申します。
私は2003年に福岡大学法学部を卒業し、
現在は福岡市中央区舞鶴で司法書士をしております。
さて、いよいよ明日からゴールデンウイーク本番です。
お車でお出かけの方も多いと思います。
事故のないよう、お気を付けてお出掛け下さい。
運転といえば、最近よく事故を目撃します。
ここ一ヶ月で三回ほど遭遇しました。
事故を起こした方、またその巻き添えになった方、本当に気の毒だと思います。私自身、運転には気をつけ、交通違反は恥ずべきものとして日々心掛けております。もちろん免許はゴールドでございます。
ただ、この場を借りて懺悔させていただきます。
先日スピード違反で捕まってしまいました。
今でもルームミラーから見えたパトカーの回転灯が目に焼き付いて離れません。
1万8000円の罰金です。この1万8000円があれば飲みに行ってもお釣りがくるなと思うと悔やまれてなりません。欲しかった靴も買えませんでした。
ゴールデンウイークに車でお出掛けの皆様、
事故等でせっかくの連休が無駄にならぬよう、お気を付け下さい。
福岡大学法学部同窓生によるリレー式コラム第19回目は
高木憲章さん(昭和46年卒)です。
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「高度情報化社会を生きる」
健訟の弊風を矯正すべし
世の中には、やたらに訴訟を起こす「ソキチ(訴訟狂)」と呼ばれる人種がいるという。古くは平安朝期(延喜7年)に書かれたとされる伝記「参議藤原保則伝(三善清行)」によると、当時の讃岐国につき、「この国の庶民みな法律を学び、執論各々異なり、邑里彊畔ややもすれば争訟を成す」とされている一方、奥羽の地では、「善馬、良鷹を求めて雲集する権門の子弟があり、辺民愚朴にして告訴を知ることなく、ただその求めにしたがう」とされている(中田「法制史論集」3巻1157頁)。
明治期に入っても健訟の傾向はあったようで、明治14年3月の東京日日新聞の社説は、「健訟の弊風を矯正すべしと」と題して、「須らく代言人を検束し、以て我が社会より彼の白癩の如き健訟を排斥して後初めて人民をして訴を無くして止むの善果に至らしむべきなり」とまで論じている。
讃岐に生れ、讃岐で育った私から見て、特に讃岐人が訴訟好きには見えないが、小生を含めて理屈っぽい人間が多いのは確かである。全国で最も面積が小さく、人口密度が高いなかで、肩を触れ合いながら生活をしていることが影響しているのかもしれない。
法律は生きている
訴訟好きには金がなく、医者好きには健康がない、といわれる。確かに不必要に訴訟を起こすことは好ましくなく、訴訟が訴訟を生むような事態は避けるべきであろう。しかし、毎日のように、新聞、テレビ、ラジオ、インターネットを通じて、内外の政治、経済、社会のあり余る法律が関連する情報に接し、それらを適切に取捨選択して自らの生活に生かしてゆかなければならない私たちにとって、それらの法律的な問題に対する対応について、すべては誰かのやることであり、自分たちは社会の変化に流され、決められた法に規制されるだけで良いのだと考えるとしたら、それはもはや人生の敗北に近い。
法律は人間が作ったものであり、人間と共に生きてゆくものなのである。したがって、私たちが社会の変化に対応して生き方を変えてゆくように、法律も常に社会の変化に対応した適切な内容のものに変えてゆかなければならない。法律は生きているのである。私たちは日々発生する複雑な法律問題や裁判例にも積極的に関心を持ち、主体的にかかわって行かなければならない。
かって、数年間にわたって、一般市民、市議会議員の方々をメンバーとする憲法学習塾を主催したことがある。ちょうど行政手続法が施行されたころであり、少しでも市民の方々に憲法や行政法の考え方を理解していただきたいと考えてのことであった。最初は多かった参加者も年が経つにつれて減少し、3年目には5~6人になったが、それでも数年前まで続けることができた。今では市民参加型の新たな条例等もでき、努力は無駄ではなかったように思う。
次々と提起される憲法問題
選挙制度の改革、国家機密の保護等につづいて、「集団的自衛権」の問題が検討されている。言うまでもないことであるが、9条の問題を含めて、私は憲法全体の理念を忘れてはならないと考えている。また、国連憲章において日本という国がどのように位置づけられているかも忘れてはならない。
この憲法の出自の問題がどうであるにせよ、この憲法が我々に与えた国民主権主義、基本的人権の尊重、平和主義の原則の価値を否定する者はいないであろう。不当な男尊女卑の制度に絶望していた女性たちにとって、法の下の平等を定めたこの憲法は画期的な意味を持っていたに違いない。基本的人権の尊重、個人の尊重も、溌剌として自己主張することができる伸び伸びとした日本人を育てることに成功した。言論、表現の自由も、民主政治の基礎を築き、豊かな文化を育んだ。この憲法が戦後日本の復興、繁栄に果たした功績は大であり、決してお疲れ様日本国憲法と、ご退場いただくわけにはゆかないであろう。
しかし、もちろん憲法も法であり、全ての規定が恒久のものではない。また、人間も弱いものである。個人の尊重が過ぎると、家族制度の崩壊を招く。核家族化は、その一例であろう。個人が尊重されるからといって、自分以外の家族に対する倫理的・法的義務を忘れて良いわけではない。現在の憲法の規定には、権利と義務の関係において、権利の方向に偏りすぎた傾向があるのも確かである。十分に検討し、基本的な理念を維持したうえで改正することも必要であろう。
法科大学院への期待
高度情報化社会は世界を一市場化し、実質的な国境を無くしてしまう。知的財産などの情報財は国境を越えて簡単に流通し、多くの国で権利侵害を引き起こす。また、侵害領域は国家主権が及ぶ領土、領域内に限られず、サイバースペースという法域外でも発生する。これらをどのように規制するのか、新たな法規制が求められている。
これからの法律家には、高いレベルのIT技術が求められる。しかし、それを現在の大学法学部での教育に期待するのは無理であり、どうしても法科大学院の教育に期待せざるを得ない。しかし、現状では、それも難しいのかもしれない。京都の法科大学院に通っていた姪が昨年から弁護士業務を始めたが労働法を専門にするという。結局、知財業務は選択しなかった。
本学法科大学院の司法試験合格者は法学部以外の学部出身が多いと聞いている。また図書館は、午前7時から午後12時まで開かれているとのこと、設備も充実しているようで羨ましい限りである。素晴らしい中央図書館と共に有効に利用して、思う存分勉強し、是非とも新しい法分野に挑戦して欲しいものである。
幹事の皆様
平成26年度法学部同窓会総会(6月22日)の開催へ向けて、下記のとおり幹事会を開催いたします。幹事の皆様、出欠の返信は同窓会会長 三ツ角(三ツ角法律事務所 弁護士)までお願いします。
- 日時 平成26年4月15日(火)19時より
- 場所 福岡大学文系センター15階第会議室
- 内容 事業計画、報告、予算、決算の承認
- 日時 平成26年5月8日(木)19時より
- 場所 福岡大学文系センター15階第会議室
- 内容 案内状の発送
- 日時 平成26年6月6日(金)19時より
- 場所 福岡大学文系センター15階第会議室
- 内容 総会事前準備(動員計画)
- 日時 平成26年6月17日(火)19時より
- 場所 福岡大学文系センター15階第会議室
- 内容 総会事前準備(役割分担確認)
出席の返信はこちらまで。
三ツ角法律事務所 弁護士 三ツ角直正
TEL092(715)4101(代)|FAX092(715)4066
福岡大学法学部同窓生各位
平成26年度福岡大学法学部同窓会総会の開催について(ご案内)
わが福岡大学法学部同窓会も設立10年目を迎えるにあたり、次年度、平成26年度は法学部同窓会を下記のとおり開催いたします。
是非、ご出席の程、お願い申し上げます。
福岡大学法学部同窓会
会長 三ツ角直正
開催日:平成26年6月22日(日)
- 10時00分 受付
- 10時30分 総会
- 11時00分 講演会
講師:福岡大学病院副病院長 福岡大学医学部形成外科教授
大慈弥裕之先生
「福岡大学がリードする領域:抗加齢医学と美容医療」
*ご出欠の連絡について
e-mail(web@fukudai-law.jp)もしくは、FAX(092-715-4066/ 三ツ角法律事務所)にて以下必要事項をご記入のうえ、送信いただきますようお願いいたします。
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<平成26年度福岡大学法学部同窓会総会出欠連絡項目>
- 出席 or 欠席
- 昭和・平成 年( 回)卒:法 or 経法
- 学籍番号
- 氏名(フリガナ)
- 電話番号
- 住所
- e-mai1アドレス:
- 連絡事項等
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問合せ先:三ツ角法律事務所 弁護士 三ツ角直正
〒810-0073 福岡市中央区舞鶴3-3-1
電話:092(715)4101㈹
FAX:092(715)4066
* 連絡される際は卒業年、学科をお知らせください。
幹事の皆様
今年度法学部同窓会総会に関する議題審議のため、下記のとおり幹事会を開催いたします。幹事の皆様、出欠の返信は同窓会会長 三ツ角(三ツ角法律事務所 弁護士)までお願いします。
- 日時 平成26年2月27日(木)19時より
- 場所 福岡大学文系センター15階第6会議室
- 内容 今年度法学部同窓会総会に関して
▶出席の返信はこちらまで。
三ツ角法律事務所 弁護士 三ツ角直正
TEL092(715)4101(代)|FAX092(715)4066
浅野直人先生最終講義報告(平成26年1月8日)
古希を迎えられ、本年度末をもって定年退任される浅野直人教授の最終講義が、平成25年1月8日午前10時40分から本学A棟AB01教室において行われました。
会場には受講する学生のほか、学恩を受けた多くの卒業生、さらには先生が数々の公職を努めてこられた関係もあり、福岡県、福岡市、北九州市、太宰府市などの職員の方が多く聴講にこられ、大宰府市長も花束をもって駆けつけられました。430名定員の会場が満杯の状態となりました。
冒頭、法学部卒業生を代表して法学部同窓会会長である三ツ角直正弁護士が挨拶をいたしました。
浅野先生は、九州大学法学部、同大学院を経て、昭和47年から福岡大学に奉職、講師、助教授を経て、同55年から現職の福岡大学法学部教授となられ、その間、平成9年から平成12年までは法学部長もなさっていること、奉職された41年6ヶ月の間に指導を受けた卒業生は3万人に昇ること、浅野先生は、大学での教鞭をとられる一方、民法・環境法に関する法学的・政策的研究に顕著な功績を上げられるとともに、長年、環境省の中央環境審議会委員を務められており、会長代理、循環型社会部会部会長、地球環境部会部会長等,数えきれないほどの要職を歴任され,全国レベルでご活躍され,また福岡県や福岡市、北九州市、太宰府市等の環境審議会の会長を歴任されなど地方自治体の環境問題に関わる法政策の立案や意思決定に深く関与され、環境分野における行政課題の具体的な解決に大きく貢献されてきたことなどを紹介いたしました。
最終講義は「環境法の過去・現在・将来」という演題のもと、公害法から環境法に向かっていった国の環境法制、その中で先生がこれまで深く関わってこられた環境基本法、環境影響評価法、循環型社会形成推進基本法など多くの法律についての骨子、それが位置付けられる環境行政の歩み、その成立に向けての経過、環境に関する社会の動きなど立法の基礎となる立法事実など、先生からしかお聞きできない内容を御講義いただきました。地球環境の保全、創造に向けて「私たち」ができること、「私」ができることの役割のお話で講義は結ばれましたが、あっという間に時間が経過しました。
講義終了後、奥様の浅野純子さんにも登壇いただき、浅野ゼミ卒業生、法律研究部卒業生、各公共団体関係者、そして太宰府市長など多くの方から感謝の意を表すとうてい持ちきれない多くの花束が贈られました。

講義終了後、花束を受け取る浅野直人教授

- 2014年1月9日朝日新聞<朝刊> http://www.asahi.com/area/fukuoka/
福岡大学法学部同窓生によるリレー式コラム第18回目は
アンコールに応えて、藤本俊史さん(昭和52年卒)の酒場放浪記の第二弾です。
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今年は今ある博多駅が開業して50年にあたる年で、テレビなどで騒いでいる。
それまでの博多駅は現在の地下鉄祇園駅あたりにあった。この旧博多駅の近くで屋台の餃子屋をやり始めた二十歳そこそこの乙女がいた。福岡では有名な餃子屋「鉄なべ」の元祖である。今その店は早良区の荒江店(ここが元祖本店)として美味しい餃子を食べさせてくれる。その餃子は皮がカリッとしてなかなか美味い。遠くからもわざわざ食べにくるくらいの評判の店だ。冷たいビールとアツアツの餃子が見事に美味い。つまみで食べる甘がらく炊いた手羽先も逸品。最近その元祖乙女の姿は見ないが、ご主人はいまだ元気でいる。
しかし、今回はその鉄なべ餃子の話ではない。
今から25年ほど前の話になるが、荒江四つ角近くにあった和風スナックで飲んでいたときのこと。年の頃60歳くらいの髪を振り乱した恰幅のいい初老が店に入ってきて、その餃子の名店「鉄なべ」のすぐ横に「餃子屋」を出すという話をし始めた。
「じぇじぇじぇ!」もちろん私は初対面。そのときスナックには女将と私ともう一人の客の3人しかいなかったが、餃子の老舗「鉄なべ」の隣に同じ「餃子屋」を出すなんて馬鹿じゃなかろかと、みんな反対した。しかしその初老はそれからまもなく「ラーメンと餃子の店」を出した。名前が「どんなもんじゃ」。店を出すと決めたその初老にとって、「どうせ店を出すなら、いつ出すの?」「今でしょ!」反対をし、絶対にうまくいくわけがないと言ったものの店が出たら出たでチョイと行きたくなるのも私の正直な気持ちで、直ぐ食べに行った。するとこれがまた絶品の餃子で美味い。ビールに実に合う。〆はその大将の手打ちラーメン。世の中何が正しくて何が間違っているのかわからない。今でもその店はあって、その大将はいないが、美人の娘とその婿がやっている。
ときどき名誉教授の坂口裕英先生とそこに行く。一番美味しいのが牛筋煮込み。ピリ辛で生ビールがいける。そしてくじらの刺身。焼酎がすすむ。BGMには昭和40~50年代の歌謡曲が流れる。佐良直美、キャンディーズ、尾崎紀世彦など。それがなんともいえない「お・も・て・な・し」。
しこたま昭和の雰囲気の店で私が熱燗を先生の猪口にそそぐと、先生は「民訴の井上正治「第三の波」がなかなか多数説にはならないし、平野龍一先生の過失論の予見可能性を必要とする主観説もね・・・
どちらも結果的にはそう変わらない気がしてくる」「なにが正しいのかわからない。」とどちらかというと教室で講義をされているくらいのフォルテ声で話されるものだから、周りの客が雪駄を履き、作務衣を着ているこの年寄りは何もんじゃという顔でこちらを見る。
いつもカウンターに座って先生と飲んでいるが、ある時、アラサーの美女が泣きながら店に入ってきた。大体にして男という生き物は女の涙に弱い。したがって男としてこれは捨て置けない。すかさず坂口先生はここに座りなさいと、先生の隣にその女性を座らせ、まずは一杯飲みましょうと、ビールで乾杯。するとこちらが聞きもしないのに、旦那とけんかして家を飛び出してきたと話し始めた。私は「これはまずい?何か起こらなければいいのだが・・・」ひょっとして「10倍返し!」と心配したが後ろにそのような男もおらず何もなかった。先生は「喧嘩して出てきたから、今こうやってあなたは私とビールが飲める」「よかったよかった」と仲良くなり、しばらく3人で飲んでいた。何がいいのか何が悪いのかわからない。混沌。おあとがよろしいようで。
次のコラムのつなぎとして書いたコラムです。お口汚しで申し訳ありません。
福岡大学法学部教授の浅野直人先生が、平成26年3月をもって定年退任されます。
同先生は、法学部教授として教鞭をとられる傍ら、環境省中央環境審議会委員、福岡県環境総合基本計画策定委員会委員長、福岡市環境影響審査会長等数え切れないほどの公職に就かれご活躍されました。
その浅野先生の最終講義が下記のとおり行われます。卒業生も聴講できることになっておりますので、ふるってご参加下さい。
記
平成26年1月8日(水)午前10時40分〜12時10分(A棟 AB01教室 )
「環境法の過去・現在・将来」
秋の三連休。皆様いかがお過ごしでしょうか?
福岡大学法学部同窓生によるリレー式コラムも、第17回目を迎えます。
今回のコラムは、原 奏絵さん(平成24年卒)です。
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「断捨離で得たもの」
近年耳にするようになった断捨離(だんしゃり)という言葉をご存知ですか?
2010年の流行語にも選ばれた言葉で、入ってくる不要なものを断ち、もっている不要なものを捨て、物への執着から離れるという意味があります。
この言葉を知って私も断捨離を実践してみました。
まずは書類や書籍などの整理からはじめました。
最初に手を付けた、ファッション雑誌は流行の移り変わりが激しく、いつまでも取っておくものではないなと思い、古いものは捨てました。そして、いつか勉強しようと思っていた資格の問題集なども今の自分には必要ないものなので手放すことができました。
しかし、大学時代に勉強した書類や教科書は思い入れがあり、自分の財産だと考えているので今でも取っています。
いま私は社会人1年目で、している仕事は法律に直接的に関わるものではありませんが、大学4年間で培った法的思考力は日常生活においても仕事においても役立っていると感じます。
次に洋服の整理です。
もっている服をまんべんなく着るのが理想だと思うのですが、私はそうはいかずいつも着るものは決まっていて全体の3、4割くらいは出番のない服でした。出番のない服とは、いつか着るかもしれないと思って取っている服やセールで安くなった勢いで買って結局着なかった服たちのことです。
断捨離の考えでは、いつか使うかもしれないという「いつか」は来ないと考えるので私の考えている「いつか」も来ないと考え、いらないものはリサイクルショップに持っていき手放すことにしました。その際、本当にそれを必要としている人に使ってもらえるならと思い手放すことに抵抗はありませんでした。むしろ、片付けをした後の必要なものだけしかないクローゼットを見てすっきりした気持ちになり、片付いている状態というのは人の心も変えてしまうのかと感動しました。
そして、改めて自分の持っているものを見直してみると意外といらないものがあり、いままでいらないもので占められていた場所がもったいなかったなと考えさせられました。
あくまでも断捨離とは捨てることが目的ではなく、必要なものだけを残すことで1つ1つの物を大切にできるようになり、あらゆることの能率を上げることができるようになることを目的としているので必要だと感じる物まで無理に捨てる必要はありません。
断捨離を行った今では部屋に観葉植物を置く余裕も生まれて、すっきりとした部屋の状態を保つことが楽しくなってきたのでこの感覚を多くの人に味わってもらいたいと思い、このような内容のコラムを書きました。
1日10分ずつでもいいので身の回りを片付けて気持ちの良い時間を過ごしてみてください。
福岡大学法学部同窓生によるリレー式コラム。
第16回目のコラムは、江頭 直人さん(平成25年卒)です。
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大学に入学してから1ヶ月半ほどのことです。電車に乗り、いつもと同じように音楽を聴きながら通学していた私はその慣習に飽きていました。何か他にできることはないか、と周りを見ると老若男女問わず本を読んでいる姿が目に付きました。片道1時間の通学路、無駄にする手はありません。この時間を生かして私は読書をすることにしました。
しかし、です。それまで年に1、2冊程度しか本を読む習慣はなかった私です。最初は松本清張や赤川次郎などのミステリを編纂した短編集から読み始めました。当時読書初心者の私には難しい作品も収録されていましたが、本を読む楽しさを知るのには十分でした。最初に手に取ったのがミステリであったことから、初めは国内ミステリやエンターテイメント小説を読み漁っていましたが、しだいに国内外今昔問わず文学作品や詩集やエッセイ、ひいてはSFやホラー小説なんかも読みました。
小説とはいえ本を読んでいると文章を読み、理解する能力は自ずと身に付きます。興味深い文章や物語は精神面を知識で満たしてくれるし、学習面においては判旨を読む際に小説を読むときと同じように登場人物や事実確認を頭の中で構想し、新書本を読んで論ずる課題や意見をまとめるレポートの課題も苦にならず、さらには課目によってはストレートに読書感想文の課題なんかもあり、この慣習はその都度大変役に立ちました。読書の慣習を身に付けることは卒業生の皆さんだけならず、在校生の皆さんにも是非おすすめします。
大学を卒業した現在も私は常に何かしらの本を読むようにしており、鞄の中にはいつも本が入っています。それは小説だったり、新書本だったりですが、いずれにしても本によって私は一歩立ち止まり思考を整理することができ、自らの意見を持つことができるのです。
他人の意見を頼ってしまいがちな現代社会。例えばそこにはびこるネット文化。ネットに蔓延するレビューや口コミはあくまでも他人の意見です。アメリカの小説家レイ・ブラッドベリは著書『華氏451度』に本を読むことは自発的な行動であることから習慣的に考える能力を得るものである、と本が禁止された世界を舞台に説いています。他人の意見は参考程度にはすれど、そのまま自分の意見にしては考えてないことと変わりません。このような社会だからこそきちんと考え、自分の意見を持っていたいものです。
どうでしょう。書店や、もしくは図書館に足を運んで、気になった本を1冊手にとってみてはいかがですか?