福岡大学法学部同窓生によるリレー式コラム。
第5回目のコラムは中尾香織さんです。
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1998年卒の中尾香織です。司会の仕事をしています。
仕事柄、人生の様々な節目に立ち会う機会が多いのですが、
その最も大きな節目と言えるのが、結婚式とお葬式。
最近は、婚姻届けを提出するだけという方も多くなっていると聞きます。
また、葬儀をせず、そのままお骨にする「直葬」というスタイルも増えているとか。
自分の節目をどうプロデュースするか、選択の幅も広がっていますが、
いずれにしても、どれだけの人にお世話になり、どういう人生を歩んできたのか。
自分の人生を見つめ直す機会となります。
記憶に残る、素晴らしいシーンに立ち会えることもあります。
あるシングルマザーの女性は、プロポーズをされた時
「まだ小さい息子が成人するまでは」と返事をされ、
男性もその気持ちを受け入れて、ずっと待ち続けました。
そして10数年後、20才になった息子さんとバージンロードを歩き、
感動的な結婚式を挙げられました。
また、若い頃は反抗的で、父親とは何年も口を聞いていない、
という新郎様は、結婚式で流すプロフィールDVDを作る為に、
小さい頃からのアルバムを何度も見返し、
当時の話をお母様から聞くうちに、心のわだかまりが溶け、
結婚式でお父様に一番喜んでもらいたい、
とサプライズプレゼントを手渡され、お父様も男泣きされていました。
一方で、お葬式。
最後のお別れで、亡くなったご主人に「今までありがとうね」と
お別れのキスをされた80代の奥様。
悲しみの中でも「おばあちゃん素敵!」と言われて、少し照れくさそうでした。
お好きだったジャズを流し、ワインやチーズで
おしゃれに送られる方もいらっしゃいました。
ですが中には、奥様に素っ気ない見送りをされてしまう方、
たった一人で淋しく送られる方もいます。
今まで、どんな人生を歩んできたのか。
どういうふうに人と関わってきたのか。
結婚式もお葬式も、その人の性格や生き方が、
明確に反映されてしまうものなんですね。
正直、怖いなーと思いました。
その日その日に感謝をして、家族や友人を大切に想うこと。
そんな毎日の積み重ねが、感動のシーンを生み、
自分を包んでくれる大きな宝になるのだと思います。
そうは言っても、気づけばもう3月!
自覚がないまま日々を過ごしてしまいました・・・
3月は絆を意識する月になります。
先輩を見習い、大きな宝を育て上げるまでに、
まだかなりの努力と時間が必要ですね。
さて、そろそろ春です。
美しい桜を今年も愛でられる幸せを味わいつつ、
皆様との親睦を深めたいと思います。
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次回は、同窓会幹事の藤本俊史さんです。
福岡大学法学部同窓生によるリレー式コラム。
今回のコラムは井上文博(第4回目)さんです。
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あなたが世界を変える年
1973年卒の井上文博です。財団法人ふくおか環境財団に勤めています。
2011年は3月11日の東日本大震災、大津波、原発事故が重なり、地球環境を根本から考えさせられる年でした。三陸沖を震源地とするマグニチュード9の海溝型地震が発生し、宮城県栗原市築館では震度7を記録しました。この地震に伴う大津波で岩手県、宮城県、福島県、茨城県など三陸沿岸から関東地方沿岸では壊滅的な被害(死者数15,845人、行方不明者数3,380人:2012.1.20現在)が発生しました。阪神・淡路大震災の死者数6,434人を大幅に上回り、戦後最悪の災害となりました。
また、東京電力福島原子力発電所では、地震で自動停止したものの津波により冷却能力を失い、国際原子力事象評価レベル「7」の深刻な原子力事故が発生し、「原子力安全神話」が脆くも崩壊しました。
国のエネルギー政策を根本から見直し、
震災復旧・復興の取組みを進めていかなければなりません。
地震、大津波、原発事故が重なり、経済活動では、GDP比△3.5%、国家予算の2割相当額の影響(西日本シティ銀行久保田頭取)があると言われています。
これまで地震対策は、阪神・淡路大震災(1995年)や福岡県西方沖地震(2005年)などの経験を踏まえて、講じられてきたはずですが、大自然の営みの前では、人間の無力さを感じました。そして人間は地球環境の中で無数の生物の一つに過ぎないことを改めて、教えられました。
私が、福岡市役所環境局に異動(2006年)し、地球環境について考えるきっかけとなった『リオの伝説のスピーチ』をご紹介します。今から、20年前のブラジルのリオ・デ・ジャネィロで開かれた国連の「地球環境サミット」(1992年)でセヴァン・スズキという日系カナダ人の12歳の少女が世界各国のリーダーを前に6分間のスピーチをしました。多くの人々の感動を呼び、『リオの伝説のスピーチ』と呼ばれるようになりました。
~ 『 リオの伝説のスピーチ 』の抜粋です。~
『こんにちは、セヴァン・スズキです。カナダの12歳から13歳の子どもたちの集まりを代表してお話しします。あなたたち大人のみなさんにも、ぜひ生き方を変えていただくようお願いするために、自分たちで費用をためて、カナダからブラジルまで1万キロの旅をしてきました。私がここに立って話をしているのは、未来に生きる子どもたちのためです。世界中の飢えに苦しむ子どもたちのためです。そして、もう行くところもなく、死に絶えようとしている無数の動物たちのためです。
あなたたち大人にも知ってほしいんです。あなたたちもよい解決法なんてもっていないっていうことを。オゾン層にあいた穴をどうやってふさぐのか、あなたは知らないでしょう。どうやって直すのかわからないものを、こわしつづけるのはもうやめてください。50億以上の人間からなる大家族。3千万種類の生物からなる大家族です。みんながこの大家族の一員であり、ひとつの目標に向けて心をひとつにして行動しなければならないことを知っています。
もし戦争のために使われているお金をぜんぶ、貧しさと環境問題を解決するために使えばこの地球はすばらしい星になるでしょう。それはあなたたちの子ども、つまり私たちのためです。みなさんはこうした会議で、私たちがどんな世界に育ち生きていくかを決めているんです。しかしあなたたち大人がやっていることのせいで、私たちは泣いています。あなたたちはいつも私たちを愛しているといいます。もしそのことばがほんとうなら、どうか、ほんとうだということを行動でしめしてください。』(翻訳:ナマケモノ倶楽部)
このセヴァン・スズキさんは、2002年エール大学でエコロジ―と進化生物学で理学士の学位を取得後、ヴィクトリア大学大学院で伝承民族植物学を研究し、現在、著述家として世界中で環境問題について講演活動を展開中です。
福岡市の環境行政は、博多祇園山笠に代表されるように、市民の自治精神を尊重し、自ら考え、行動するきっかけづくりを支援することを基本原則にしています。私の息子が、今年カナダに音楽の勉強のため留学を予定しており、機会があれば、彼女の話を聴くように勧めるつもりです。
今年、2012年は、私たち一人ひとりが、地球環境にできることをじっくり考え、行動し、世界を変える年にしたいと考えています。
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次回は、当コラムプロジェクトの提唱者、中尾香織さんです。お楽しみに。
福岡大学法学部同窓生によるリレー式コラム。
平成24年一番目にあたるコラムは堀 純生(第3回目)さんです。
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かつて私は「法の番人」として、ある程度の権力を持って治安維持のため、国家、社会に奉仕していました。定年を迎え普通の一般人になり、もはや組織という力を借りることは出来ないオジサンになった。そのときの心の寂しさ、不安、動揺は計り知れないものがあった。果たしてこのままオジサンでいいのか、自分に「今、何が出来るのか」と思い、現在、ライオンズクラブに入会し、
- 国際親善
- 東日本大震災
- 献血運動
- 青少年育成
- 樋井川清掃・しじみ貝放流
- 犯罪予防・交通対策
等、支援活動に自分の経験を生かし、人のため社会のため活動しています。
また、福岡大学法学部同窓会副会長として、母校福岡大学法学部の発展や卒業生の皆様のあらゆる分野での活躍状況を知ることは、卒業生にとって喜びであり誇りでもあります。そのためには、一人でも多くの卒業生に同窓会に加入していただき、卒業生としての絆を結び、魅力ある「福岡大学法学部同窓会」を構築することが重要な任務であります。
一般的に、同窓会の活動が時代と共に硬直化・マンネリ化傾向にある現在、時の流れと共に地域のニーズに沿った変革ある内容が要求されています。そこで、組織の繁栄維持の為には新しく若い会員を同窓会及び幹事会に迎え、会員の知恵とアイディアを積極的に取り入れ、新風を吹き込みマンネリからの脱皮を図る時期到来と考えられます。
私は現在、会員増強意識に燃え会員増強運動への情熱を持って新会員を一人でも多く加入していただこうとあらゆる会合を通じて日々努力しております。福岡大学法学部卒業生の皆様の加入の一報をお待ちしております。
福岡大学法学部同窓生によるリレー式コラム。
第2回目は、小林孝行さんです。
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『棺おけ君』のことをご存知ですか
人は皆、『棺おけ』を背負って生まれて来る? 本当ですよ!
先日、81歳のご高齢の方とゴルフをする機会がありました。
プレイ中に、「あなたは何か目標をお持ちですか」、と問われました。私は、「殆ど遣り残したことはありませんし、特に目標は無いです。あまりこの世に未練は無いですね」、と答えました。
するとその方は、「人生遣り残したことは無いと思っていても、ある時がくればあれもしたかった、これもしたかったと思う時が、必ず来ますよ」。
さらに続けて、「本当にお迎えが来る時は、「棺おけ」が見えるようになります。人は誰でも、生まれた時に「棺おけ」を背負って生まれてきます」。
「やがてその人に生命力が宿り、一人で生きていけるようになったら、その棺おけは背中から下りてどこか遠くへ行ってしまいます」。
「やがてあの世からお迎えが来る頃になると、いつの間にかいなくなっていた「棺おけ」が忽然と現れます。最初は遠くから見ていた「棺おけ」も、生きる気力が薄らいでいる人に死期が近ずくと「棺おけ」が近寄ってきます」。
その時の状態により、近づいてきたり、離れたりしながら、その時を迎えることになるわけです。
「することがなくなった、生きる希望がなくなったと言っても、あなたに棺おけが見えますか。見えなければ、まだまだあの世にはいけない」。
「私にはみえる。ほら直ぐそこに、ニコニコしながらこちらを見ている」。
「私が、前に進めば、一緒にその前をぴょんぴょんはねながら歩いている」。
「その日の体の調子で、良い時はまわりからいなくなり、悪いときは10メートル位離れて見ている」そうです。
「以前は、直ぐそこ、2.3歩先にいた。最近は、旨く付き合うことが出来るようになり、大分離れています。しかも、いつもニコニコしている時が多いですよ」。
「今私は、その状態にあります。いつも棺おけに向かって、まだ早いよ、しかしいつも私が入れるように直ぐ側にいてくれよと、呼びかけています」。
「すると棺おけ君は、ニコニコしながら私の周りを飛び跳ねます。ほれ、今もニコニコしながらそこにいますよ」。
「だから、あの世からお迎えに来るぎりぎりの時まで、今を楽しんでいたい」。
「スコアは良くないがゴルフをしていたい。長年連れ添ってくれた家内と、いつまでも楽しく過ごしていたい。」
その大先輩の話によると、「棺おけが言っていってました、最近は車とか飛行機で移動される人が多く、中々ついていけないので困る。怪我をされた時、側にいてあげないといけないのに、間に合わず苦しみが増すばかりで、成仏が出来ない人が多い」、と。
「救急車で運ばれる時も困りますね。そのスピードについていけず、やっと追いついたと思ったら、我々が近寄れないホースのついた救命装置がついた箱に入っている」との事。
大先輩が語られる話を理解するのは、難しい。
話を聞き終わって、つい直ぐに周りを見渡し、私のそばに『棺おけ君』がいないか見渡してしまった。
生まれた時についてきた『棺おけ君』は、幸いな事にまだ私の周りにはいないようだ。
私に人徳が無いから見えないのか、私があの世に行くのがまだ先のことだから見えないのか、良く解らない。
すべての迷いが消え、プレイに専念出来そうな気分になってきた。
追記 昭和42年に銀行に就職して31年勤務、テレビ局に出向を命じられ9年間、その後リース会社に努めました。1年半ほど年金生活をして年金だけでは厳しいので、現在人材派遣会社に勤めています。
念のため、公務員ではないので天下りではありませんし、自分で仕事先を見つけて働いています。
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次回は、福岡大学法学部同窓会副会長の堀純生さんです。
お楽しみに!
これから、福岡大学法学部同窓生によるコラムを
リレー方式でお届けいたします。
第1回目は、同窓会会長の三ツ角直正さんです。
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弁護士業務あれこれ
昭和55年卒の三ツ角直正です。福岡市で弁護士をやっています。
弁護士というと裁判ばかりやっているように思われがちですが、
実際には裁判以外にも、示談交渉、法律相談等、さらに講演などをやっています。
私は、医療事案、教育関係の事案が多いせいで、
医学会や病院での講演などもします。
昨日は、文部科学省所管の独立行政法人教員研修センター(つくば市)で、
全国から集まった学校の先生たちに「学校の危機管理」の話をしてきました。
学校の危機管理というとすぐに「体罰」の問題を思い浮かべる方も多いかと思いますが、体罰についても最高裁が平成21年4月28日に新しい判断を示しています。
こういった最新のリーガルインフォメーションを各界の方々に届け、対策を考えるのも弁護士の仕事の一つです。
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次回は、福岡大学法学部同窓会幹事の小林孝行さんです。
お楽しみに。