コラムvol.05「感動を生む力」
- 2012年03月07日
- 同窓生コラム
福岡大学法学部同窓生によるリレー式コラム。
第5回目のコラムは中尾香織さんです。
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1998年卒の中尾香織です。司会の仕事をしています。
仕事柄、人生の様々な節目に立ち会う機会が多いのですが、
その最も大きな節目と言えるのが、結婚式とお葬式。
最近は、婚姻届けを提出するだけという方も多くなっていると聞きます。
また、葬儀をせず、そのままお骨にする「直葬」というスタイルも増えているとか。
自分の節目をどうプロデュースするか、選択の幅も広がっていますが、
いずれにしても、どれだけの人にお世話になり、どういう人生を歩んできたのか。
自分の人生を見つめ直す機会となります。
記憶に残る、素晴らしいシーンに立ち会えることもあります。
あるシングルマザーの女性は、プロポーズをされた時
「まだ小さい息子が成人するまでは」と返事をされ、
男性もその気持ちを受け入れて、ずっと待ち続けました。
そして10数年後、20才になった息子さんとバージンロードを歩き、
感動的な結婚式を挙げられました。
また、若い頃は反抗的で、父親とは何年も口を聞いていない、
という新郎様は、結婚式で流すプロフィールDVDを作る為に、
小さい頃からのアルバムを何度も見返し、
当時の話をお母様から聞くうちに、心のわだかまりが溶け、
結婚式でお父様に一番喜んでもらいたい、
とサプライズプレゼントを手渡され、お父様も男泣きされていました。
一方で、お葬式。
最後のお別れで、亡くなったご主人に「今までありがとうね」と
お別れのキスをされた80代の奥様。
悲しみの中でも「おばあちゃん素敵!」と言われて、少し照れくさそうでした。
お好きだったジャズを流し、ワインやチーズで
おしゃれに送られる方もいらっしゃいました。
ですが中には、奥様に素っ気ない見送りをされてしまう方、
たった一人で淋しく送られる方もいます。
今まで、どんな人生を歩んできたのか。
どういうふうに人と関わってきたのか。
結婚式もお葬式も、その人の性格や生き方が、
明確に反映されてしまうものなんですね。
正直、怖いなーと思いました。
その日その日に感謝をして、家族や友人を大切に想うこと。
そんな毎日の積み重ねが、感動のシーンを生み、
自分を包んでくれる大きな宝になるのだと思います。
そうは言っても、気づけばもう3月!
自覚がないまま日々を過ごしてしまいました・・・
3月は絆を意識する月になります。
先輩を見習い、大きな宝を育て上げるまでに、
まだかなりの努力と時間が必要ですね。
さて、そろそろ春です。
美しい桜を今年も愛でられる幸せを味わいつつ、
皆様との親睦を深めたいと思います。
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次回は、同窓会幹事の藤本俊史さんです。