コラム vol.14「グランドキャニオン」


福岡大学法学部同窓生によるリレー式コラム。
第14回目のコラムは 熊谷 泰直さん(平成22年卒)です。
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私は現在、司法書士になるべく専門学校に通っております。
この決心をするまでに今までの人生で最も悩みました。私は、福岡大学を卒業後、福岡市内の民間企業で働いておりました。そこそこの成績も出し、給料が悪かったわけでもなく、又会社が嫌になって退職したわけではありません。ただ、私の心の奥ではこのまま人生を送っていく事に迷いがありました。
しかし、勉強する為に退職しようと思ってもなかなか踏ん切りがつきませんでした。この不景気の中無収入になり、学生に戻り、試験に合格できるのか、将来は大丈夫なのか等現実的な事ばかりをみていました。あれやこれやと言い訳を作ってしまっていました。
そんな時、大学時代に行ったグランドキャニオンの写真が目に入りました。バイトをして、食パンや納豆ご飯ばかりを食べるという今思えば恐ろしい生活をしてまで訪れたかった場所です。ロサンゼルスから車で5時間、ひたすら真っ直ぐ砂漠の道を進むと光り輝くラスベガスが見えてきます。そこから飛行機でグランドキャニオンには行きました。氷点下の澄んだ空気の中、グランドキャニオンは眼前に広がります。人生で初めて見るスケールの大きさにただただ感動しました。
ここで最も感じたのは、「小さい事でくよくよ悩むことないやー!!」ということでした。
この気持ちを思い出したのです。やりたいと思ったことをやらないなんてもったいないし、やってみないと分からん!やってやるー!と後は転がりだしたボールのように、翌日退職願いを出し専門学校にお金を払いました。
悩んだ分今は全く悩むことなく、まずは合格することそして司法書士として人の役に立てることだけを考え毎日を過ごしています。そして、自分で選択した道を歩んでいる今は充実しています。
悩みがない方はいないとは思います。何か自分を奮い立たせる物を持つこと。そんな経験をすること。学生のうちに是非経験されて下さい。